「わかめを食べると髪の毛に良い」という言葉は、きっと誰もが聞いたことがある言葉だと思います。その言葉を信じて、わかめやのり、昆布、ひじきなどを一生懸命食べている方も多いのではないでしょうか。

ただ、これは残念なことに、全く科学的な根拠がない迷信です。

髪の毛の成長はとても奥が深く、いろいろなことが積み重なっています。

ワカメなどの海藻類を食べたからといって、髪の毛がふさふさになるということは、まずありえません。髪の毛の原料はたんぱく質であり、たんぱく質が乏しい海藻類で髪の毛が増えるというのは、物理的に考えにくいんですね。

しかしながら、海藻類に多く含まれているヨウ素などの「ミネラル」は、髪の毛をツヤツヤにするので、髪を美しくするためには効果があるようです。

また、ワカメなどの海藻類は、髪の毛ではなくその他の体の各器官にも必要な栄養素が含まれています。このため、身体の健康を保つためにも、ワカメなどの海藻類は積極的に摂取していきたいですね。

 

髪のキューティクルの話

健康的な髪の毛は、毛自体が元気なことも大切ですが、キューティクルの状態も大切です。

キューティクルは髪の毛1本1本の外側の部分です。髪の毛は3層に分かれているのですが、一番外側がキューティクルであり、外界の刺激から1本1本の髪の毛を守っています。キューティクルは髪の毛の先端に向けて、うろこ状の形をしています。

髪の毛は頭皮の内側で作られているものであり、頭皮から出ている毛髪の部分の細胞は、既に活動をストップしています。従って、キューティクルは一度傷ついてしまうと、自分自身で修復することが出来ません。

キューティクルが傷つく原因としては、ブラッシングやヘアダイ、パーマだけでなく、シャンプーや紫外線、ドライやーの熱などもあげることが出来ます。これらの外側からの刺激によってキューティクルが剥がれてしまうと、髪の保水力が失われて枝毛になったりパサついてきたりします。

シャンプーやリンスのCMで「キューティクルを保護して滑らかな状態を保つ」みたいなキャッチフレーズが使われていることがありますが、このキューティクルを健康的な状態に保つことは、大切なことなんです。

頭皮をケアするだけでなく、キューティクルもきちんとケアして、健康的な髪の毛を育てていきたいものですね。

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精密な3層構造になっている私達の毛髪

私達の毛髪は単純に1つの材料で出来ているように見えますが、実は「3層構造」という精密な造りをしています。

皮膚の場合は外側から角質層、表皮、真皮という3つの層から成り立っています。毛髪の場合は、外側から毛表皮、毛皮質、毛髄質という3つの層から出来ています。

一番外側にある層「毛表皮」は別名「キューティクル」と呼ばれるもので、顕微鏡で見るとウロコ状の細胞が重なり合うことで、外部からの汚れを遮断しています。

例えると、屋根の「瓦」のようなイメージですね。

このキューティクルの部分は、外部から異物が入るのを防ぐだけでなく、髪の内部の栄養素が漏れないようにする働きもあります。このキューティクルが乱れていると、髪の毛がパサついたり、枝毛や切れ毛を起こしやすくなります。

続いて真ん中の層「毛皮質」は、別名「コルテックス」と呼ばれています。黒色のメラニン色素が大量に含まれており、繊維状のタンパク質がたくさん束ねられています。髪の毛にコシがあるのは、このコルテックスのおかげだと行っても過言ではありません。

メラニン色素は、紫外線からお肌を守る働きがあります。つまり、頭髪は紫外線から頭皮を守る働きもあるのですね。シミやソバカスの原因となるメラニン色素も、髪の毛においては大切な役割を果たしています。

そして、毛髪の最も内側の層「毛髄質」は「メデュラ」とも呼ばれています。2列程度に並んだ立方体の細胞がハチの巣のように並んでいて、その内部には空気穴がたくさん存在しています。この空気穴に空気が入ることで、断熱効果や直射日光から頭皮を守る効果が生まれます。また、このメデュラ部分にも、多少のメラニン色素が含まれています。

毛髪の1本1本はとても細いですが、実はとても精密な構造から成り立っています。