化粧品のパッケージを良くみると「医薬部外品」と書かれたものをよく見かけます。なんとなく「医薬品ではない」ということは解かりますが、この医薬部外品とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

この医薬部外品とはズバリ、薬品と化粧品の中間に位置しているもので、厚生労働省によって許可された有効成分が一定の割合で含まれているものを指しています。

医薬品では無いけれど、有効成分が一定量含まれているのでお肌にとって良しとされる方もいらっしゃいますが、1つ注意しておきたいことがあります。それは、医薬部外品なので、全成分表示義務が無いことです。

医薬品の場合は2001年の薬事法改正により、配合されている全部の成分の表示が義務付けられました。しかし、医薬部外品は医薬品ではないので、皮膚障害を起こす可能性があるとされている成分のみ、表示義務が課せられているだけです。

日本にはたくさんの優良企業があり、医薬部外品でも素晴らしい化粧品がたくさんあります。しかしながら、安いコストで大量生産するために人体に良くない化学物質を混入させている悪徳企業が無いとは言い切れません。

厚生労働省もこのような悪徳企業の締め出しに取り組んでいますが、私達も化粧品についての知識と理解を深めて、本当に良い化粧品を選べる眼力を養っていきたいですね。

薬事法と化粧品

薬事法は日本の法律の1つであり、医療機器を扱う医療機関や、製造・販売を行う企業に対して、適切な安全措置を講じるための法律です。この法律の目的は、私達国民が安心して使用できる、安全な医薬品や医療機器を提供することです。日本の企業や医療機関は、この薬事法で認められている医療品等を提供することになっています。

薬事法の対象となるのは医療品や医療機器だけでなく、化粧品も対象になっています。医薬部外品との違いを明確化することや、品質、表示項目についての規制も厳格に定められています。

薬事法には罰則も設けられています。もし規定違反が発覚した場合、書類送検されたり、場合によっては逮捕される可能性すらあります。私達のお肌に付ける化粧品についても、薬事法による規制があり、厚生労働省の管理下で厳格に管理されています。

日本の薬事法は、1950年前後に制度化されたと言われています。1970年頃には「黒皮症」という化粧品が原因の皮膚病が発症したこともあり、その後は何らかの障害が懸念される成分を「指定成分」として表示することが義務付けられるようになりました。

その後、2001年3月には薬事法改正が行われ、化粧品における「全成分表示」が義務付けられています。今の化粧品は、含有成分をきちんと表示することが義務となっているんですね。

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もしも化粧品にかぶれたら

化粧品を使ったら、かゆみや赤み、湿疹、ヒリヒリ感などが出てきた。

このような状態は、化粧品かぶれを起こしている可能性が高いです。すぐに洗い流して、その化粧品の使用を控える必要があります。

2、3日しても症状が改善しなかったり、かぶれが悪化してしまった場合は、皮膚科で治療してもらうようにしましょう。

アレルギーの場合は、化粧品に配合されている何らかの成分に反応を示したということになります。皮膚科でパッチテストを行ってもらうと、アレルゲンとなる成分がわかります。

一時的なものは、体調不良によって肌の抵抗力が弱まっていることが考えられます。いつも使用している化粧品でも、上記のような反応が見られます。数日後に体調が回復してからまた使ったときに問題がなければ、一時的なものと言えるでしょう。

また、肌荒れしている時のスキンケアは、できるだけお肌に刺激が少ない化粧品を選ぶことが大切です。スクラブ洗顔料や、殺菌成分が配合されたニキビ肌用の洗顔料は刺激が強いので避けましょう。

化粧品による「かぶれ」を防ぐために

規則正しい生活をする

寝不足になると肌の抵抗力が落ちてしまいます。肌は睡眠中に生まれ変わるので、睡眠時間はしっかり確保しましょう。

栄養バランスに気をつける

特に美肌に関係している栄養素は、ビタミンB群やビタミンC、ビタミンEなどです。野菜や果物だけではなく、豚肉や魚、卵などにもこれらのビタミンが含まれています。野菜だけでなく、お肉や魚もしっかり食べるようにしましょう。

お肌を乾燥させない

刺激が強い洗顔料を使うと、肌が乾燥し、肌荒れの原因になります。このため、自分の肌状態に合った洗顔料を選ぶことが大切です。洗顔をした後は、化粧水や美容液での保湿を欠かさず行いましょう。