今の日本は、昔と比べて生活スタイルが夜型に変化しており、特に都市部においては昼と夜が逆転している人もいます。コンビニエンスストアや24時間営業していますし、テレビやDVDも24時間視聴することが可能です。このような状況の中で、私達の睡眠時間が減少傾向にあることは、紛れもない事実です。

そして上記のゆうな社会の変化に伴って、不眠症や睡眠障害に悩む人が増えつつあります。日本人の約20%は、睡眠時に何かしらの問題を抱えていると言われるぐらいです。

夜なかなか眠れないために朝はどうしてもだるくなってしまい、仕事や学校に悪影響が出てしまう人や、中には起床時間に起きれないために不登校になっている児童もいると聞きます。

また、遠距離バスや大型トラックの運転手においては、慢性的な睡眠不足や睡眠障害によって、大事故を引き起こしてしまいます。

アメリカでは眠気による事故により、1年間で約2000人以上の方々が亡くなっているそうです。さらに、重症を負った人は1年で250万人以上もいるといいます。このような事故の多発を防ぐために、州ごとに睡眠障害センターが設置され、専門医が診療にあたっています。

日本では、厚生労働省が睡眠不足が健康に与える影響についての調べを行なっています。その結果、睡眠時間が6時間未満の場合は狭心症や心筋梗塞の有病率が上昇し、5時間以下では脳梗塞や心筋梗塞の発症率が上昇、4時間以下では冠動脈性心疾患による死亡率が、睡眠時間7時間以上8時間未満の人の約2倍になるということがわかったそうです。

睡眠時間が極端に短い人は、事故の原因を高めるだけでなく、心臓や脳の重大な病気を発症するリスクが高くなるのですね。

睡眠障害や不眠症は、眠りたくても十分に眠れない症状です。運転事故などを起こさないようにするため、そして健康的な毎日を過ごすためにも、不眠症や睡眠障害を改善するための試みを取り入れていきましょう。

睡眠障害の3つの種類

睡眠障害は、人類が抱える大きな悩みの1つです。この睡眠障害を国際的な分類でわけると約90種類に分類されるそうですが、大きくわけると以下の3つに分けることができます。

睡眠の量や質に問題がある

なかなか寝付くことが出来なかったり、朝早く目が覚めてしまったり、夜中に何度も目が覚めてしまうという症状です。いくら眠っても眠くなってしまうというのもこの症状です。

睡眠中の異常な症状

睡眠時に激しいイビキをかいたり、呼吸が止まったりする。睡眠中に足がピクピク動いてしまう。寝ぼけて起き上がったり、歩いたりする。睡眠中に突然暴れだす、突然叫び出したりする。など、睡眠中に通常ではあまりない症状が出ることです。

睡眠の時間帯に問題がある

明け方まで眠ることができない。昼ごろまで起きれない。眠くなる時間が不規則。など、眠る時間帯の問題です。

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睡眠不足がもたらす様々な弊害

睡眠には、脳と体を休ませるためのものです。夜、しっかり睡眠を取ることで明日への活力を養うことができます。

しかし、睡眠障害などで寝れない状況が続くと、心身に様々な悪影響を及ぼしてしまいます。まずは集中力や判断力、記憶力が低下していきます。さらには気分が冴えなくなり、不安感が強くなります。日中は必ずと言って良いほど眠気が襲ってきますので、仕事でミスをする原因にもなりかねません。

さらに、身体的な面を考えると、交感神経が緊張して血圧が上がりやすくなります。睡眠不足が続いていた高血圧患者がそく眠れるようになると、血圧が下がることもあるそうです。

また、睡眠不足は耐糖能低下という状態になりやすくなります。これは、インシュリンが分泌されているのにも関わらず、血糖値が下がりにくくなる状態です。このため、血糖値が高い状態が続き、糖尿病になるリスクを高めます。

免疫機能においても影響があります。睡眠不足は様々な体の免疫機能を低下させるので、生活習慣病や心疾患のリスクを高めることになります。

夜間にがんばって仕事をしたり、勉強をしたりすると、急に食欲が出てくることがあります。この原因は睡眠不足によって食欲増進ホルモンの一種であるグレリンの分泌が盛んになり、食欲抑制ホルモンの一種であるレプチンの分泌が抑えられることが原因です。

睡眠不足や夜間に食欲を増進させるために、肥満を加速させる恐れもあります。