コーヒーなどに含まれる「カフェイン」には覚醒作用があり、寝る前に摂取してしまうとどうしても眠りにくくなるものです。

このため、夕方以降はコーヒーやお茶を飲まないようしている。という方も少なくないと思います。

しかし、カフェイン以上に覚醒作用を持っているものも存在しています。それはズバリ、タバコです。

タバコには「ニコチン」が含まれており、ニコチンには気持ちを落ち着かせてリラックスされるだけでなく、刺激によって目を覚まさせてしまう覚醒作用もあります。

喫煙者が仕事の休憩時間にタバコを吸いたくなるのは、リラックス効果だけでなく、覚醒効果を得られるからだとも言えるでしょう。

当然のことながらタバコでニコチンを取り入れている人は、禁煙している人よりも多くの覚醒作用を受けています。このため、眠りの質が悪く、睡眠時間が短くなる傾向があります。

実際に喫煙と睡眠の関係について行われた調査では、タバコを吸う人は吸わない人よりも眠りにつくまでの時間が5分間長く、睡眠時間は14分短かったそうです。

さらに、喫煙者は深い睡眠の時間が14%も減り、浅い睡眠の時間が24%も増えていたそうです。タバコを吸うか吸わないかで、睡眠の質と時間に、これほどまで開きがあるんですね。

それだけでなく、喫煙者は睡眠時無呼吸症候群にかかる確率が、禁煙者の2.5倍にまでのぼるそうです。

こう考えると健康の目でも禁煙するのが一番ですが、どうしてもタバコを吸いたい場合は、夜寝る前の2、3時間前からは避けるようにしたいですね。

睡眠は、年齢と共に浅くなります。

睡眠は、私達の身体の疲労を回復させるという大きな役割を担っています。睡眠を十分に取ることで、翌日元気に動ける力を養うことができます。しかし、睡眠の深さは年齢と共に浅くなってくるのが普通です。

生まれてまもなくの頃は、レム睡眠とノンレム睡眠が同じぐらいの量です。しかしながら年を重ねるにつれてレム睡眠の時間が少なくなり、10歳ぐらいになるとノンレム睡眠が多くなります。

そして中高年になると、ノンレム睡眠の3~4段階の量が減り始めて、60歳代になると4段階がほとんどなくなります。

高齢者が夜中に度々目を覚ましたり、朝早く目覚めてしまうのには、このような理由があるんです。

<子供・成人・高齢者の睡眠の特徴>

子供

深い眠りの時間が長いです。すぐに熟睡できて、成長ホルモンが多量に分泌されます。「寝る子は育つ」と言われるのはこのためです。

成人

熟睡期は寝入りばなに集中します。睡眠後半になると次第に眠りが浅くなっていきます。

高齢者

深い眠りが少なくなります。ノンレム睡眠の4段階は、ほとんど見られなくなります。中途覚醒も多くなるようです。

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レム睡眠とノンレム睡眠の特徴

眠っている人の脳波や目の動きを調べてみると、睡眠にも2種類あることがあります。これがレム睡眠とノンレム睡眠です。

レム睡眠のレム「REM」は、「Rapid Eye Movement」の略で、その名の通り、眼球が素早く動いていることを指しています。またレム睡眠の時は体は休んでいても、脳が比較的活動状態にあるため、浅い睡眠と言えます。夢を見るのも、目が覚めて金縛りが起きるのも、このレム睡眠の時だと言われています。

ノンレム睡眠は「レム睡眠ではない」状態を意味しています。眼球の動きもなく、脳も休んでいる状態であり、深い眠りについています。ノンレム睡眠は哺乳類や鳥類にしかない眠りで、両生類や爬虫類、魚類には見られません。つまり、大脳が発達した人間などの動物にとって、脳を休めるために必要な眠りだと考えられます。レム睡眠が原始的な眠りなのに対して、ノンレム睡眠は進化した眠りだと言われています。

また、レム睡眠とノンレム睡眠は、寝ている間にバラバラにあらわれるものではありません。一定の法則に従って交互にあらわれます。

通常、眠ってするに現れるのはノンレム睡眠です。寝入るとだんだん眠りが深くなり、レム睡眠に突入します。そして次第に浅くなっていって今度はノンレム睡眠の状態になります。このレム睡眠とノンレム睡眠の周期は、平均で約90分前後だと言われています。

ただし、同じレム睡眠でも、その深さは出現する時間によって少しずつ違ってきます。眠りについてからすぐにあらわれるノンレム睡眠が一番深い眠りであり、朝方に近づくにつれて、ノンレム睡眠も浅くなっていきます。

良質な睡眠をとるためのポイントは、はじめにスムーズに深いノンレム睡眠にたどり着くことです。すると睡眠のリズムが整い、全体的に深い眠りを得ることができます。