既にご存知の通り、クレジットカード産業の中心は、信用販売と消費者金融に分けることができます。

信用販売は、消費者が商品やサービスを購入する場合に、クレジット会社が立替払いを行ってくれるサービスですね。また、消費者金融は消費者が直接クレジット会社から現金を借りれるというシステムです。

この2つの大きな違いは、前者がお金を直接手にすることなく立替払いしてくれることに対して、後者が金融機関のATMなどを通じて直接現金を手に出来てしまうことにあります。

また、いずれの場合も利用した場合には、クレジット会社への返済の義務を負うことになります。そして、その利用形態に応じた手数料は金利を支払わなければなりませんが、信用販売と消費者金融とでは、金利が大きく違います。

前者は1回払いにすれば利子は付きませんし、分割払いにしてもそれほど大きな額になりません。しかしながら、消費者金融は返済する期間が長くなればなるほど、結果的により多くの金利を支払うことになります。このため、出来るだけ早めに返済することが、返済額を小さくことにつながります。

そして、いずれも消費者が返済を完了することで、クレジットという商行為が終了になります。

クレジットカードも色々あり、ショッピングとキャッシングの両方ができるカードど、キャッシングのみが利用できる消費者金融用のカードがあります。ショッピングとキャッシングの両方が利用できるカードでキャッシングを利用した場合は、消費者金融として利用したことになりますね。

日本のクレジットカード利用における全体の約36%は、ショッピングによる利用です。続いて、分割払いとなる個別割賦が約16%、消費者金融業務の担保ローンが約15%、消費者金融業務の消費者ローンが13%、最後にクレジットカードのキャッシングが10%程度になっています。

クレジット販売の仕組み

「クレジット販売=分割払い」という一般的なイメージがありますが、それぞれの形態によって中身は異なっています。

割賦販売または自社割賦

消費者がデパートや専門店などから商品やサービスをクレジットで購入するときに、商品やサービスの提供者であるデパートや専門店が直接クレジット販売を行うのが「割賦販売」です。つまり、デパートや専門店が自社で行う「信用販売」と言えるでしょう。消費やはクレジットの返済を小売業者に行うことになります。

ローン提携販売

新車や中古車をローンで購入するとき、自動車ディーラーが提携している銀行のロールを利用する場合があります。この場合に購入者への融資実行に対しての保証をディーラーが行う形態を「ローン提携販売」と言います。
ローンの返済は銀行に対して行うことになり、融資が実行されると、自動車の販売代金が提携銀行から小売業者に支払われます。

自社カード販売

大手のデパートや専門店が今行っている手法です。デパートや専門店がクレジットカードを自社で発行し、このカードを利用して商品やサービスをクレジット販売する形態です。クレジットの返済は、小売業者に直接行うことになります。自社カード販売にも、分割払いの割賦販売と一括払いの非割賦販売があります。

割賦購入斡旋/ショッピングクレジット

電気専門店や宝石店などで、パソコンや指輪などの商品をクレジットで購入するときに、第三者である信販会社等のクレジット会社が提供する「ショッピングクレジット」を利用する場合があります。このよな形態を「割賦購入斡旋」と言います。

消費者ローン/カードローン

消費者ローンは、私達がお金そのものを借りることです。キャッシングや無担保ローンを利用するときに、消費者金融専門会社等のクレジット会社から直接融資を受ける形態になります。ローン返済は、融資を受けた会社に対して行うことになります。

提携ローン

家を増改築する時は、リフォームローンなどを利用することがあります。こうしたローンのうち、信販会社等が提携している金融機関のローンを利用する形態を取り、かつローンの実行に対しての保証を信販会社等が行うものを「提携ローン販売」と言います。融資が実行された場合、リフォーム代金は信販会社等のクレジット会社を経由して小売業者が消費者の代理で受領します。ローンの返済は、信販会社等に対して行われます。

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クレジットの意味は「信用」

クレジットを英語で書くと「credit」となります。そしてこの言葉を日本語に訳すと「信用」になります。つまり、クレジットカードとは、利用者が支払うことに対しての信用の対価をして与えられるカードになります。

業界的な意味で考えれば、消費者が商品やサービスを購入するときの代金を、クレジット会社が消費者に代わって立替払いをする仕組みと言えますね。

この原理を考えれば、例えばすごく欲しい洋服を見つけたときに、あなたの手持ちのお金が足りなかったとします。その時、一緒にいた友人、あるいは家族にお金を借りて購入した場合は、お金を返すという信用に基づいて、お金を借りることができたことになります。この資金の融資についても、広い意味では「クレジット」言えるかもしれません。

クレジットカードの利用は、本人に代わってクレジット会社が代金を立て替えて支払うという約束事の上に成り立っていることになります。

当然のことですが、クレジットカード会社に立て替えてもらった代金は、後日、クレジット会社に返済しなければなりません。

クレジットカードを利用するとき、利用者はクレジット会社に借金をすることになります。一括払いの返済であれば、手数料は掛かりませんが、分割払いやリボルビング払いの場合は、利子や手数料が加算されることになるので、注意したいところです。

また、クレジットカード産業の市場規模は、2003年時点で約73兆円にも上っています。クレジットは、商品やサービスの購入に対するクレジットである「販売信用」と、お金そのものを融資するローンやキャッシングなどの「消費者金融」に分かれるのですが、販売信用や約38兆円、消費者金融が約35兆円にものぼるそうです。

クレジットというと「販売信用」がメインだという考え方が一般的ですが、消費者金融も同じぐらいの額が利用されているのですね。

なお、販売信用の約38兆円のうち、利子や手数料が基本的にかからない「1回払い」の額が約21兆円になっています。販売信用の場合は半数以上が1回払いで利用されています。