歯周病は、自覚症状の少ない病気です。

実は、中高年の90%が歯周病にかかっていると言われており、20代~30代前半の方でも、70%~90%の方が歯周病の前段階である歯肉炎にかかっているとも言われています。

歯周病は、口内の細菌が歯茎で炎症を起こすことが原因です。

この細菌がやっかいなもので、細菌自身で毒素を出しながら、歯茎を溶かして奥の方に潜りこんでしまうんです。

そしてやがて歯茎を支える骨が破壊され、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

実は、歯が抜ける原因の50%は、歯周病だと言われています。

さらに、近年の医学会では、歯周病が心臓病の原因になりかねないことが分かってきました。

歯周病の原因菌の中には「ジンジバリス菌」というものがあるのですが、このジンジバリス菌が、心臓病患者から発見されたのです。

この菌は、血液を固まりやすくする毒を出します。

血液はサラサラであるのが良しとされていますが、ジンジバリス菌が血液をドロドロにしてしまいかねません。

歯周病は、口内の病気だけではなく、生命にかかわる病気の原因にも成りかねないんですね。

 

歯周病になるメカニズム

歯周病の原因は、細菌の塊である「歯垢」(しこう)です。

この歯垢はその80%が細菌で出来ています。

口内にはもともと細菌がいて、食べかすなどの栄養分を利用して増殖していきます。

そしてその細菌が塊となって歯垢になってしまい、歯茎に炎症が出来て腫れていき、やがて歯周病になってしまいます。

歯周病の原因菌にはスピロヘータやジンジバリスというものがあり、歯と歯茎の間に入り込むと、元気に活動しだします。

歯周病になるまでの具体的な流れを見ていくと・・

1.歯肉炎で歯茎が腫れてできた隙間に、スピロヘータが入り込みます。

2.スピロヘーターが毒素を出しながら歯茎を溶かし、歯茎の奥深くに入り込みます。そして歯槽骨の周囲にある破壊細胞を活性化させます。

3.破壊細胞が歯槽骨を破壊し、歯がぐらぐらになってしまいます。そして最後に歯が抜け落ちます。

のようになります。

歯周病を歯を失うことが無いようにするためにも、歯肉炎の段階で歯垢を取り、歯と歯茎を清潔に保ってあげる必要があるんですね。

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毎日の心がけで、歯周病を予防する

歯周病は生活習慣病の一つです。

毎日の心がけで進行を食い止めたり、かからなくすることだって可能です。

ただ、ケアが遅くなってしまったがために、歯が抜けてしまってはどうしようもありません。

歯周病を完全にシャットアウトするためにも、以下の3つの点について、心がけていきましょう。

1.歯医者さんに行って、歯垢を取ってもらう。

歯垢は歯周病の直接的な原因です。歯垢がある場合は、いち早く歯医者さんに行って、歯垢を取ってもらいましょう。

歯垢があるかどうかわからない場合は、歯科検診を受けると良いですね。

2.食後に繊維質のものを食べる

リンゴやとうもろこし、セロリなど、繊維質のものを良く噛んで食べると、歯についた食べかすを落とす効果があります。

また、洋食よりも和食の方が歯垢が溜まりにくいというデータもあります。

3.歯みがきや歯間ブラシで歯を清潔に保つ

歯垢の原因は、食べかすがお口の中に残ってしまうことです。

このため、歯磨きや歯間を利用して、お口の中を清潔に保つことは、極めて大切ですね。

歯の間は歯ブラシが届かない場合があります。

夜は口の中の細菌が繁殖しやすくなるので、晩御飯を食べた後に、歯間ブラシを使ってお口の中をキレイにお掃除してあげましょう。

また、歯医者さんでは、歯磨きの指導を行っているところも多いです。

「歯の磨き方について、教えて欲しい・・」と言えば、指導してもらえるかもしれないので、ぜひ一言声をかけてみましょう。