私達の歯、色々なパーツによって構成されています。まず、歯を1本1本見ていくと、地面に打ち付けられた杭のようになっているのがわかります。目に見えている部分と、歯肉に埋まっている部分があります。

見えている部分が歯冠、歯肉に埋まって見えない部分は歯根と言います。歯肉の下では歯槽骨が歯根を支えています。歯は顎の骨の歯槽骨という部分に歯根が埋まるような形で生えており、歯槽骨が歯の土台の役割を果たしています。

歯冠は、直接物を噛んだり、砕いたりする部分です。物を噛む瞬間は、自分の体重ほどの力が加わるために、上部なつくりでなければいけません。このため歯冠の表面は、エナメル質という白く硬い組織で覆われています。

また、歯根の表面は、セメント質という硬い組織で覆われており、セメント質と歯槽骨の間には、歯根膜という膜が張られています。セメント質は、直接物を噛み切ったり砕いたりすることがありません。なのでエナメル質ほど硬くはありませんが、歯と骨をつなぐ重要な役割を果たしています。

エナメル質とセメント質の内側には、象牙質という組織があります。象牙質はエナメル質よりもやわらかく、虫歯になると侵食が進みやすい部分です。冷たいものがしみる知覚過敏は、この象牙質にあると言われています。

さらに私達の歯は、乳歯のときは20本、永久歯になると親知らずを含めて32本になります。歯の名称は、中央の歯から奥歯に向かって中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯と言います。この中でも、中切歯と側切歯、犬歯の3種類の歯は、主に物を噛み切る役目を果たしています。

口の中のプラーク

プラークは、歯周病の発症や悪化と深く関わっていると言われています。歯と歯の間を楊枝などで軽くこすると、白いネバネバしたカスが取れることがありますが、これがプラークです。

プラークは別名「歯垢」をも言われ、その名の通り、歯にこびりついた垢です。プラークは食べ物のカスだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、その80%は歯周病やむし歯の原因になる細菌です。わずか1mgのプラークにでさえ、おびただしい数の細菌が住みついており、その数は数十億を言われています。

これらの細菌は、食べ物のカスを餌にして、どんどん増殖しているわけです。1日ブラッシングを怠ってしまうと、プラークは増殖し始めます。2日ぐらい経つと硬くなり始めて、約2週間で石灰化して歯石になります。歯石になってしまうと通常のブラッシングなどでは取れなくなるので、歯石になるまえにしっかりとブラッシングでプラークを取り除くことが大切になります。

また、プラークが歯に付着しても、最初のうちはハミガキで簡単に除去することができます。しかし、プラークが増殖して厚みを増してくると、やがて薄い膜をつくるようになります。これをバイオフィルムと言います。このバイオフィルムこそが、虫歯や歯周病を作ったり、治りにくくさせています。

バイオフィルムとは、細菌の集団が作り出した薄い膜です。台所やお風呂場の排水口にヌルヌルとした膜がつくことがありますが、これもバイオフィルムの一種です。

歯にできたばかりのバイオフィルムはブラッシングで落とすことも可能ですが、強固に出来てしまった場合は普通のブラッシングでは落とすことができません。歯科での専門的なケアを受ける必要があります。

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歯のホワイトニングについて

歯のホワイトニングは、「自分の歯をもっと白くしたい!」と考えている人であれば、一度は耳にしたことがある言葉だと思います。

ホワイトニングとは、通常の歯磨きだけでは落とせないような、歯の内部に染みこんでしまった汚れを落とす方法です。

歯科クリニックでは、35%ぐらいの高濃度のオキシドールと専用のパウダーを混ぜたものを歯に塗布して、そこにレーザーやプラズマを照射して分解します。

この施術によって、歯のエナメル質に染みこんだ色素を漂白できます。

ホワイトニングは1回の施術で完了するものではなく、効果を得るためには2ヶ月の間に3回ぐらい通う必要があります。

また、歯科クリニックに通うのと同時に、ホームホワイトニングを作ることもできます。ホームホワイトニングとは、患者自身がマウスピースの中に薬液を入れて、毎日自宅で10分~数時間装着することで、歯を白くしていく方法です。

これを実践するためにはカスタムトレーという専用のケースを作ります。そして過酸化尿素剤などを注入して歯にパカっとはめ込んで行います。1日6時間ぐらいの装着が必要なこともあり、その場合は睡眠中に行うのが良いでしょう。

ただし、虫歯がある場合は、ホワイトニングは行うことができません。このため、きちんと虫歯を治療してからホワイトニングを受けるようにしましょう。